第29章 Happiness~櫻井×二宮~
【 翔side 】
.....とある都心のホテルの一室。
週末の金曜日。
ベッドに一人腰かけて。
......俺は今、猛烈に緊張している。
手汗は半端ないし、
日頃は冷静で『Mr.平常心』で通っている俺が、
心拍数が上がって、
何ならもう直ぐ倒れるレベル...
今からこんな状態でさ、
この後俺、大丈夫なんかな??
......時計を見る。
針が示すのは、20:45
ホテルの上層階にあるこの部屋からは、東京タワーが綺麗に見える。
冷静になると...
いや。
冷静になっちゃダメだろ?
少しおかしい位じゃないと、この後に起こることに、俺はきっと耐えられない...
事の起こりは先週末。
職場の気心の知れた同僚たちとの飲みの席。
くだらないゲームを始めた...
まあ、これもよくあること。
んで、俺が負けた。
...これもよくあること。
↑よくあるんかーい!!
問題はそっからだよ。
「ねえ、俺面白い話聞いたんだよね~」
総務部の松潤が1枚の小さな名刺を取り出した。
「なに?ゲイバーかなんか?」
松潤がそう言う類の場所に出入りしているのは、俺達の中では周知の事実だった。
だから、俺と同じ営業の大野さんも、
別に興味なさそうにその名刺を眺めた。
「それがさ...」
急に声をひそめた松潤に、俺達は必然的に頭を寄せ集めた。
「なんだよ~!勿体ぶってないで話せって!」
痺れを切らせた、プロジェクト部の相葉くんが詰め寄った。
「実はさ、俺、ある筋の知り合いからこれ貰ったんだけど~」
ある筋って...|д゚)マフィアかなんかかよ~?
松潤がしたり顔で言うのには...