第23章 『逃げなきゃ!』 ~櫻井×二宮~
《 ニノside 》
「あ、ニノ~!さっき翔さんが探してたよ~」
大學のカフェに入っていった途端に、
相葉くんが俺に向かってそう言った。
「えっ...マジで?」
慌てて逃げようとする俺に、
「ちょっと待って!!捕まえといてって、言われてるんだよ...行かないで!」
そうはいかないんだよ~///
逃げるなって言われて、はいそうします、
って素直に従うんなら、
俺、こんなに追われてないっつ~の!!
今来た入り口から、急いで出ていこうとする俺の腕を掴んだのは、入ってきたばかりの大野さん...
「ニノ。翔ちゃんが話したがってたよ~」
「あ、いやっ、でも...」
俺は二宮和也。
大学1年生。
さっき、大声で俺を呼んだのは相葉雅紀。
付属高校の時からの先輩で、今2年生。
で、相葉くんとお茶してたのが、俺と同じ学年の松本潤。
こんな濃い顔してるけど、留学生でも何でもない...
俺の幼馴染。
で、今俺の腕を掴んでニコニコしてるのは、
3年生の大野智。
俺達は、同じ大学のスイーツ研究会のメンバー。
研究会なんて言っても、メンバーはたった5人。
しかも野郎ばっかり...
男の舌で味わう絶品スイーツを探し求める...
まあ、溜まってることに理由がつけたかっただけで。
元々の仲間が相変わらずつるんでるに過ぎなくて。
んで。
もう一人...今ここにいない最後のメンバー。
櫻井翔。
大野さんと同じ3年生で、
で。
俺の...
「あ、翔ちゃ~ん!こっちこっち!ニノ、いたよ~」
ヤバッ///
俺は大野さんの腕を振り払って
その場から逃げた。