第22章 『僕は小さな管理人』 〜大野×櫻井〜
「今日からこいつを、翔くん家に置いとくから...困ったことがあったら、何でも言ってよ..」
そう笑って俺を翔くんに引き合わせた。
内心は、
「お前、俺に隠れて浮気なんかしたら許さないぞ!」
的な気持ちが大きく...
言わばまあ、俺は翔くんの監視役。
「へ~...よくできてるね...本物とそっくりだね...よろしくね、ちっこい智くん♪」
そう翔くんは笑顔で俺を迎え入れ、指先で頭を撫でた。
その日から3年。
俺はずっと翔くんといた。
始めのうちは智の分身だからさ、
翔くんの日常を細かく報告していた。
翔くんがどんな人間なのかも良く分かった。
で、疑い深くて嫉妬心が強い智が、
翔くんをどれほど大切に思ってるのかも...
反対に、翔くんがどんなに智のことが好きで、
智にもっと会いたって思ってて、
でもそれを言えずに我慢してるってことも。
「はあ~...この頃智、電話もくれないよね~...」
「ああ、こないだ大きな仕事が入ったって言ってたじゃん...忙しいんだよ...」
「分かってるけどさぁ、電話の1本くらいしてくれてもいじゃん...」
唇を尖らせる翔くんが、可愛い...
「そう言うやつじゃん...
熱中すると、時間が経つのを忘れちゃうんだよ~」
「知ってるよ...」
俯く翔くんが可哀想だった...