第22章 『僕は小さな管理人』 〜大野×櫻井〜
俺は大野智。
正確に言うと、そいつの分身。
『分身っていったいなんだよ?』
と思うかもしれないので、
一応断っておくけどね。
俺の本元、大野智は魔法使いなんだ。
信じれないかもしれないけど、そうなんだから仕方がない...
イギリスにある、ホグ何とかっていう、魔法学校の卒業生だ。
見かけはね、ぼやっとしてるように見えるけど、
かなりの腕前で...
で。今はイラストレーターをしている。
しかもかなりの売れっ子で、仕事が切れたことはない。
本当に忙しくて間に合わない時だけ、
こっそり魔法で色付けしてること、俺だけは知ってるんだ。内緒だけどね...
そして、彼の恋人。
『櫻井翔』今、分身の俺が一緒に暮らしている人。
こっちは2流企業の営業マン。
成績は中の上、と言ったところだ。
この翔くんと智が付き合うようになった訳は良く知らない。
聞いても、翔くんは照れてはぐらかすんだ。
...まあ、どうでもいいけどね(-_-;)
何しろ翔くんは超イケメンで、スマート。
少し残念なところがまた可愛いと、
女子社員は勿論、取引先の女の子からも大人気だ。
翔くんはその自覚がないから、またたちが悪い。
俺が彼の元に来た切っ掛けも、翔くんがなんと、
接待帰り、取引先の男に襲われかけたことがあって、
智が危機を感じで俺を張り付かせたんだ。
実際未遂だったんだけどね。