第14章 『いつも貴方がいた』その後のふたりの生活②~櫻井×二宮~
【 翔side 】
この夏は忙しかった。
いつもは結構単発で入っていた
夏のイベント的なライブが、
今年は『Arena tour』と銘打って、
全国各地を回った。
これは俺たちの長年の希望でもあった訳で、
ようやく実現した今年は、
実に9年ぶりの会場がほどんどだった。
地方が多いけど、
いつもカズと一緒だし、
まあ、部屋も一緒にしてもらってたから、
終わってからも、マッサージしあったり、
地元のお酒を一緒に飲んだり、
あと...まあ、いろんな意味で、
実りある楽しいものになった。
そんなツアーもあと少しで終わるって言うとき。
レギュラー番組の特別企画の話が舞い込んだ。
『南の島で、櫻井&二宮 少し遅めの夏休み』
実はこれ、俺の持ち込み企画。
何かね、夏休みっぽいことしたかったんだよね~
カズは家の中にいることが多いから、
あんまり南の島ってイメージないし、
そんなカズを、俺が連れ出して、嫌々ながらも、楽しんじゃうって、そういう企画。
もちろんすぐに通って、
俺はカズと番組のロケで、
沖縄に2泊3日で行くことになった。
その第一回の打ち合わせが、
今日っていう訳。
「翔...二人でロケって、聞いてた?」
カズは、ちょっと不安そうだ。
「あ~...うん...少し..」
言葉を濁したまま、俺たちは局の会議室に入っていった。
「「おはよ~ございまぁ~す!」」
仲良く入っていくと、
担当ディレクターから台本が渡された。
その企画内容に、カズはびっくりして俺を見た。
まあ、俺はそれには気付かない振りしちゃったけど...