第13章 『in the rain』~二宮×相葉~
【 雅紀side 】
...また雨だ...
俺は窓の外を見てため息をつく。
天気に文句を言ってみたところで、
それはどうしようもないけどさ...
どっか出掛けたいよ...
青空...白い雲...
眩しい太陽...緑の芝生に、
美味しいお弁当♪
↑それはだれが作るのかな~?
そして、かずの笑顔...
これ重要!!
そんな俺の夢を打ち砕くこの長雨と、
そして...
...そして...
この音。
そう。
かずの手元から繰り出される機械音。
「あ...そこ...ヤバい...もう少し...
あっ、...イケる...
...よ~し!!クリア~///」
あのさ、その声、聴きようによっては、
危ない声にしか聞こえないからね...(-"-)
こんな天気でも、かずは通常運転。
ゲームしてればいいんだから、
別に雨でも雪でも関係ない訳...
あっ、雪だとデリバリーのお兄さんが
可哀想だって、そう言ってたっけ...
いいけどね...
折角二人でいるのに、
俺は放置な訳...
まあ、これもいつものことで、
取り立てて腹も立たないけどね。
だってさ。
...そろそろね...
「相葉さ~ん、今度は一緒になんかやる~?」
...ほらね。
かずはちゃんと俺のことも気にしてくれてて、
ちゃんと忘れずに声を掛けてくれるんだ!
...ゲームに夢中になってるのに...だよ~?
「俺~?そうだね~...」
俺はさらっと、そんなに嬉しくない振りで、
かずの隣にくっついて座る。
腕を通して感じるかずの体温が、
なんだかやたらと心地いい...
これもきっと、雨のせい...