第12章 『誰にもあげないよ!』~大野×松本~
【 松本side 】
出たよ!
俺は、そのニュースを普通にネットで知った。
『JUMP知念侑李“憧れ”嵐・大野智と念願の映画初共演』
....何だよ?
何が憧れだよ?
iPadを見つめながら、知らず知らず、
爪を噛みながら貧乏ゆすりをしてる俺に、翔くんが笑ってひとり言のように言った。
「あ~あ、取られちゃったら、
どうしよ~('ε'*)知念可愛いしなぁ..」
俺は、振り向いて翔くんを睨み、
「聞こえてるんですけど///」
と不機嫌丸出しで凄む。
そんな俺の肩をガッチリ組んで、
耳元で翔くんが言った。
「さっさと、バージンあげちゃえよ♪
いつまで勿体ぶってんのよ//」
「るせ~わ//俺は、雅紀とはちげーんだよ...そんな簡単に出来ねーの!」
翔くんと雅紀は付き合ってる。
しかもだ。
翔くんが告ったその日に、
所謂、最後の一線までも越えたっていうから、驚きだよ!雅紀...お前、怖くなかったのかよ!
「大丈夫だから~♪智くん、
ちゃんと優しくシテくれるって//」
「そんなこと..」
『櫻井さぁん、松本さ~ん、
準備できましたー。お願いしま~す!』
そこで、タイムアップ...
今日は翔くんとテレビ誌の取材と、
撮影で、都内のスタジオにいた。
話は途中だったけど、
撮影となれば、俺もプロだから。
翔くんと一緒に、
最高の笑顔でカメラの前に立つ。
この後俺は、ニノとコンサートの打ち合わせ。
翔くんはピンの仕事の録画録り。
愛しのリーダーは、映画の撮影で
某山ん中で、忍者になってる。
帰ってくんのは、明日の夜....
悶々とした淋しい夜を、
今夜も俺は、ひとりで過ごす...
.....あ~...ちくしょー...
会いて~なぁ~.....