第7章 『翔くんだいすき』 ~番外編~
【 葵先生side 】
雅紀「せんせぇ~!見てほら!
お庭にナメクジがいたの~
可愛いでしょ(^.^)」
まーくんはいつも元気な頑張り屋さん。
大きくなったら、
『虫博士』になりたいそうだ。
今日も虫かごをぶら下げて、
園庭の虫を探して歩いている。
葵「ほんとだぁ...そのナメクジ、
まーくん、どうするの~?」
雅紀「まだ赤ちゃんだから、
おうちに持って帰ってね、
ぼくが育てるんだよ!」
葵「そうなんだね...
早く大きくなるといいね!」
雅紀「うん!ぼくがママになってあげるの♪」
今年私は、4歳児、ばんび組の担任になった。
保育士としては1年生。
やる気が空回りする毎日...
でも、可愛い子供たちに囲まれての日々は、
とっても充実している。
今年のばんびさんは、
男の子が5人、女の子が10人の、
ちょっと偏ったクラス...
女の子たちは、おませさんでしっかりしてる。
5人の男の子たちは、
今年入ったばかりの翔くんを入れて、
たった5人。
でもその子たちがとっても個性的で、
そして、可愛い。
アイドルの小さい頃って、
きっとこんな感じだったんだろうな...
って。
そう思うくらいに、
5人ともに可愛い顔をしている。
葵「さとくん、何描いているの~?」
庭には出ないで、
部屋の隅でお絵かきしているのが、智くん。
大人しくて、おっとりしているけど、
絵を描かせたら、びっくりするような、
才能を覗かせる。
今日も他の子と遊ばないで、
クレヨンで一生懸命に
描いていて、その手は、
カラフルにいろんな色が写っていた。
さとくん、
きっと将来は、絵描きさんかな?