第3章 殺せんせー
殺せんせーside
放課後
彼女と補習をしている時に
わたしは謝った
「朝はすいませんでした。」
「いい」
そっけなく答えた少女。
二人しかいない教室に
二人の声だけが響く
「貴女は…」
「?」
「いえ、なんでもありません。続きをやりましょう。」
まじめに問題を解く彼女は
なんら周りと変わらない少女
だが、わたしは知っている
記憶をなくしたのですね、マシロ
幼い頃
わたしと共に生きた
唯一の--…
「終わったよ、殺せんせー」
「初めて呼んでくれましたね!先生嬉しくて涙がっ」
「流れてないよ」
どうか
君は幸せになってください
わたしを思い出さずに、この世界で