第1章 始まり
朝5時
パチリと目が覚める。
すぐさまベットから出て、服を着替える。
真っ白な髪を梳かし、ポニーテールに結って部屋を出る。
キッチンに入り朝食とお弁当を作る。
この流れは
ここ1年間で習慣となってしまった。
「タコウィンナー…」
お弁当のおかずのタコウィンナーを詰め込みながら
無意味に呟いた。
何故私はこんな事をしているんだろうか。
1年前までは暗殺を生業にしていたのに。
今では暗殺のあの字もないような生活をしている。
「おはよう、マシロ。」
烏間という男の監視下で。
彼は防衛省の人間で
私の監視役として私の身柄を引き取り今に至る。
だけど何故私が監視されなくてはいけない?
ただ、言われた通りに暗殺を執行しただけなのに。
まぁ、あの時死ぬはずだったんだから、今生きてるのは烏間のおかげ。
「どうした?体調でも悪いか?」
烏間はなぜ、
私に優しくする?
あの時も、今までも、
私にはわからないよ。
「なにもない。朝食できた。」
まだ慣れない日本語で
そう答えた。