第21章 特別編 にじいろゆめいろ
気がついたら夜になってた。
いつの間にか寝てたみたい。
和也はしっかりと俺の腕の中に居た。
少し笑ってるみたいな唇に、そっと触れる。
和也の目が開いた。
俺の顔をみると、ふんわり微笑んだ。
「さと…」
「ん?」
「抱きしめて」
腕を伸ばしてぎゅっと抱きしめると、和也は満足気に笑った。
「お風呂…入りたい」
「うん、いこっか」
ばさりとシーツを剥ぎとって和也の身体を包み込む。
スエットの下だけ履いて、俺は和也を抱き上げた。
和也は俺の首に腕を回す。
俺に委ねきってる姿に、笑みが漏れる。
ずっと…こうしていたいな…和也。
皆と、一緒に。
階段を降りて行くと、にやにや顔の翔ちゃんとすれ違った。
風呂場に行くと、潤がお湯をためているところだった。
順番を快く譲ってもらった。
風呂に入ってると、相葉ちゃんがドアを開けた。
なに?って聞くと、入浴剤をくれた。
愛が深まるよ、だって。
さらさら入れてみたら、お湯がピンク色になって、ハートだらけになった。
和也と二人でそのいい匂いのするハートを手ですくい取って遊んだ。
一遍にいくつ掬えるか競争した。
俺のほうが手が大きいから、勝ったけどね。
和也は悔しがる様子もなく…
ほんとに、愛が深まったねって。
笑う顔が、愛おしい。
和也…こんなにしあわせでいいのかな…
夢のなかにいるみたいだよ…
ピンクのお湯が、和也の肌を弾いた。
きっと、この夢の色はこんな色。
【END】