第14章 きみどり scene5
さとの規則正しい寝息が聴こえてくる。
その音を聞きながら、いつの間にか俺も少し眠っていた。
ブブブ…となにか音が聴こえて、目が覚めた。
やっぱり眠りが浅くて、なんとなくその音を聞いていたらスマホの振動音だって気づいた。
リビングの方から音がしてる。
そっと眠っているさとを起こさないようにベッドを抜け出た。
アコーディオンカーテンみたいなのを開けてリビングに出ると、照明を落として薄暗い室内でスマホを探した。
ピカピカとランプが光ってるのが目に入った。
ソファの横にあるサイドテーブルの上に、充電してあるスマホが2台、俺とさとのプライベート用と仕事用のが2台。
合わせて4台が乗ってた。
でも俺のプライベート用のスマホ、光ってなかった。
「あれ…?」
手に取ってみたら、電源が落ちてた。
「充電してあるのに…?」
電源を入れて、喉が少し乾いてたから冷蔵庫に水を取りに行った。
戻ってきて、スマホを手に取った。
「…え…?」
未読メッセージが500件を超えてる
心臓がぎゅっと縮まった。
絶対…アイツだ…
予感は的中した。
アイツとのトークが凄い数字になってた。
じっとりと汗が背筋を伝っていく。
体中心臓になったみたいに鼓動がうるさい。
手が震えてくる。
思い切ってフォルダを開けた。
”どこにいるんですか?”
ひたすらの問いかけに、目眩がした。