第14章 きみどり scene5
預かっていた鍵で部屋のドアを開ける。
だって、しょうがないよね。
僕はラインで聞いたのに返事がないんだから…
マネージャーなんだから、タレントさんがどこにいるかちゃんと確認しておかないといけないんだからね?
ドアを開けると、玄関ホール。
二宮さんらしく、シンプルな廊下。
あ、ここは…大野さんの家だっけ…
なるべく大野さんのものは見ないようにしよう。
玄関ホールには二宮さんの靴があった。
一つ手にとって匂いを嗅ぐ。
「ああ…いい香り…」
二宮さん、きっと僕と会えなくて寂しいだろうな…
毎朝、僕のことあんな目で見て。
今頃、性欲が押さえられてないんじゃないかな…?
靴にちゅっとキスをすると、中にお邪魔する。
二宮さんが倒れていたらいけないから、確認しなきゃ…
部屋は人のいる気配はしなかった。
リビングのテーブルの上に、メモが置いてあった。
”箱根空庭ホテル”
今…ここにいるんだね?
迎えに行くよ
だって、二宮さんは
もう僕じゃないとイケない身体になったんだから