第13章 漆黒
その言葉通り…
一晩中、俺は愛された。
一生懸命、俺に負担を掛けないように…
体の熱を高められ、そして蕩けさせられた。
「も…なんでそんな上手いんだよ…」
「だって気持ちよくなって欲しいんだもん…」
汗がたくさん出てる。
そっと頬の汗を拭うとにっこり微笑んだ。
「愛してるよ…」
発せられた言葉に、身体が震えた。
「嬉しい…もっと…」
「かわいい…」
ぎゅっと抱きしめられると、中に入ってるあなたが震えた。
「もっと…ちょうだい?」
「うん…愛してる…」
何回でも、聞きたい。
もっと欲しい。
「あっ…」
少し腰を持ち上げられ、更に奥を抉られる。
久しぶりの感覚に鳥肌が立つ。
「そこっ…だめっ…」
「だめじゃないだろ…?気持ちいいんだろ?」
「やっ…あ…変になるからやめてっ…」
「いいよ…変になろ?」
びくびく震える身体を、何度も何度も突き上げられる。
その度に快感が脳天を直撃して、なんにも考えられない。
「あっ…ああ…も、だめ…」
「凄…も、凄いよ…締め付けてる…」
「ね、一緒に、イこ?」
「んっ…ああ…気持ちいい…」
「嬉しい…あっ…イッちゃうっ…」
「一緒に…ああっ…凄いっ…」
「あっ…ああっ…なまえっ…」
「え?」
「名前っ…呼んでっ…」
「っ…あっ…かず…和也っ…イクっ…」
「ああっ…嬉しいっ…」
腕を掴んで引き寄せてしがみつくと、二人の身体はビクビク震えて、快感を吐き出した。
その余韻に浸りながら、しあわせを噛み締めた。
嬉しい…
俺の…一晩だけの、恋人…
end