第12章 ピスタチオ fromショコラ
ちょっと情けなーくなりながらも…
でも、翔ちゃんのそんな不器用な心遣いが嬉しくて。
やっぱ、先輩だよ…
俺達の先を歩いてるんだよなあ…
でも…この道に関しては…目覚めさせたの、相葉さんなんだよね…
なんか、この前得意げに教えてくれたけどさあ…
もう…やっぱ、こいつも凄えや…
もしも俺が相葉さんだったら…くじけてただろうからな…
「もう…敵わないなあ…」
そうつぶやいたら、ふふっと大野さんは笑って俺を見上げた。
「だな…」
そんな俺達を見て、潤はケッて言ってから背中を向けた。
おお…
拗ねてる…
その日の帰り、俺は大野さんを家まで送っていった。
この人、あとちょっと忍びの撮影が残ってて、少しお疲れ気味。
助手席に乗り込むと、速攻で寝ちゃった。
くぅくぅと安心しきった寝息が聴こえる。
ま、そのために今日は日本車に乗ってきたんだけどね…
レギュラーの車じゃ、うるさくて寝れないだろうから。
信号で停まると、じっと横顔を見つめる。
かわいいんだから…
シートベルトを外して、身体を乗り出すとちゅっと唇にキスをした。
「にゃ…」
ちょっとだけ目を開けて、ふにゃっと笑った。
「ぴんく…」
「えっ?」
「おーら、ぴんく…えっち、かずなり…」
それだけ言うと、またコテンと寝てしまった。
「おー…上等じゃねえか…」
そんな可愛い寝顔晒して、知らないからな?
俺だって、男なんだよ?
実は、まだ俺達…えっちできてない。
どっちがどっちって譲らないもんだから、いっつも擦りあいっこして終わってる…
今日こそ、いただきますよ?
いいんだね?
さ・と・し?
【END】