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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第11章 グレイscene4


ブースの扉を何とか閉めて、壁に押し付けられる身体を離そうとする。
けど、びくともしなくて…

「さとっ…お願いっ…」

その声は智の唇に飲み込まれた。
口内を執拗に貪る舌。
一気に流されそうになる。

けど…後一回、公演が残ってる…!

「さとっ…」

胸板を押して軽く睨むと、にっこり笑う。
だめだ…流される…

「なんっで…」
「え?」
「なんであの子とハイタッチしたの…?」
「え?なんのこと…?」
「いくら近いからって…ファンの子とハイタッチなんて…」
「いつの話だよ」
「あの子…浮気した子に似てるね」

ぎくりと智の動きが止まった。

「へえ…やっぱり好みだったんだ…」
「ち、違うって…覚えてないもん」

智の暴走を止めようと思って言った言葉だったけど、俺の中に暗い嫉妬の炎を燃え上がらせた。

「マイク向けて歌わせた子も…似てたね…?」
「えっ…嘘だろ…」
「嘘じゃないよ…やっぱり智は女のほうがいいんだね」
「違うって…!」
「じゃあなんで…いくら近いからっていつもと違うことしたの!?ファンの子の顔がよく見えるから…好みの子が居たからだよね!?」
「違うって言ってるだろ!?」

必死に取り繕うのを無視してカランを捻った。
熱いお湯が俺たちの間に降り注いだ。

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