第2章 グレイscene3
嫌な予感はしていたんだ。
二人で俺のうちに遊びに来るって、今までなかったから。
しかも明日はオフだけど、旬一家と出かけるからって言ってるのに、無理やり来たんだよね…
しかも俺の運転する車に無理やり乗ってくるから、追い返すこともできなくて…
「J、酒がありませんよ?」
「し、知らないよ…勝手に来たくせに…」
ニノはもうべろべろになってて…
「じゅーん!お前、全然飲んでないじゃないか!」
「だから俺は明日旬のとこ行く約束してんの!」
翔くんもいつも以上に飲んで、ついに俺んちの酒を飲み尽くしてしまった。
とほ…40万のワイン…味わう暇もなかった…
「なにもう…どうしたの二人とも…」
俺がいうと、二人はじとーっと俺を見た。
「大野さんは全然違うのになぁ…」
「潤はどうしていつもそうなんだよ…」
「え?なんのことだよ?」
二人は三人掛けのソファに座る俺の両サイドに座った。
うわっ…酒臭さっ…
「なぁんで顔をそらすんですかぁ…J!」
「だってお前らめっちゃ酒臭い…」
「俺らとは仲良くなりたいとは思わないのかよ!?」
「はぁ!?何いってんの!?翔くん」
やばい…なんか二人とも、目が据わってる…
なんか嫌だな…
さりげなくソファから立ち上がろうとしたら、引き戻された。
どすんとソファに座ると、怒りの形相の二人が俺を見下ろしてた。
「この上俺達から逃げようとまでするんですか…」
「ほんとお前、いい根性してるよ…」
「え…だから、何なんだよ…はっきり言えよ…」
二人はがっつりと俺をホールドして離してくれない。
一体なにがこんなに気に入らないというのだ。
俺は一生懸命やってるというのに…
「Jは…俺達がいつも一緒にいて当たり前だと思ってんでしょ?」
「は?なに?」
「だよなあ…俺達は黙っててもお前と一緒だって思ってんだよな?」
「当たり前だろ…だって同じグループなんだし。今までだって…」
「だから、それが了見違いだって言ってんだよ!」
ニノが男らしくなった。