第10章 だいだい
「翔さん!起きて!」
「ん~もうちょっと…」
「いいの?」
「…へ?」
「付き合って初めての日なのに、寝て過ごすの?」
がばっと翔さんは起きた。
俺をみて、呆然とした顔をしている。
「夢、じゃないよな?」
「夢なんかじゃないよ…?昨日散々中出ししといて…」
「ご、ごめん…」
「お蔭でお腹痛かったんだからね?」
「ごめん…」
がばっと翔さんに抱きつくと、ほっぺにちゅうってキスをした。
「ニノ…」
「やーだ」
「え?」
「和也って呼んで?」
「お…おう」
翔さんは目を白黒させてる。
「か、和也…」
「はーいっ」
思い切りいい返事をしてまた翔さんに抱きついた。
「…なんか、和也ちがくね?」
「なにが?」
「いや…もっとこう、ツンデレっていうか…いや、ほぼ俺にはツンだったけど…」
「…だめ?」
小首を傾げて翔さんを見つめると、翔さんは鼻血をだした。
「あっ…ちょっとどうしたの!?」
「えっ?何が?」
「鼻血!鼻血!」
「ええっ」
急いでティッシュを翔さんの鼻に押し付けた。
「もお!どうしたの急に?」
「わかんねえよ…うわ、ほんとに出てる…」
ティッシュに着いた鼻血を見て、新しいティッシュをちぎって鼻に詰めた。
情けない顔のまま、翔さんは俺を見た。