第8章 いつも貴方がいた -nosa version-
「翔…顔みたい…見せて…?」
息が上がって、上手く声が出せない。
でも翔さんは顔を上げて俺を見てくれた。
「カズ…」
「翔さん…なんて…」
「ん…どうした…?」
「俺の…旦那さん…かっこいい…」
身体にもう力が入らない。
快感が凄すぎて、真っ白になってくる。
「カズっ…待って!だめだって…起きろっ…」
「気持ち…いい…」
「カズっ…和也っ…」
めったに和也って呼ばないのに…
嬉しい…
「翔…もっと…俺に入って…?」
「ああ…もう、かわいい…俺の奥さん…」
「旦那さん…」
「奥さん…」
唇が重なる。
翔さんの動きが激しくなって、俺の身体は大きく揺れた。
堪らず立てた爪が翔さんの背中に沈み込んでいく。
もっと…もっとひとつになりたい。
健やかな時も
病める時も
富める時も
貧しき時も
生涯
彼を愛し
慈しみ
敬い
死がふたりを別つまで
変わることなく
愛し続けることを
誓います
あの時の誓いの言葉が、脳裏に蘇った。
「翔…」
「和也…」
シーツの上で重ねた手。
リングの光る、俺達の両手はお互いを受け止める証。
俺の右手は、貴方の左手。
貴方の右手は、俺の左手。
このリングが光り続ける限り…
愛し抜くことを、誓います