第6章 ノクターン
「いっ…嫌だよ…そんな…」
「なんで?かわいい子呼んだよ?」
「す、好きじゃないのにできないよ…」
「はあ?お前、そんな純情だっけ?」
その時、いくつかある部屋のドアから原くんが顔をだした。
「お、二宮じゃん」
「あ…原くん…」
「久しぶり。あ、大野。ゴムねえ?」
「あ?またかよ…買ってこいよな」
「5個くらいくれよ」
「まーた乱交してんのかよ…」
「いいだろ。たまには」
部屋の中から、女の子のアレの時の声が聞こえてきた。
身体が、カッと熱くなった。
大野さんは部屋に入ると、いくつか繋がったゴムのパッケージを原くんに渡した。
「さんきゅ。お前も来たかったら来いよ」
「あー。気が向いたらな」
原くんが顔をひっこめると、大野さんはいつもどおりにっこり笑った。
「あいつ、すけべだろお?」
それから大野さんは風呂に入って…
俺は身の置き所がなかった。
原くんの部屋からは、絶え間なく女の子の声が聞こえてきて、俺は耳を塞いだ。
盛り上がってくる股間を抑えるのに必死だった。
そのうち、玄関のチャイムが鳴って…
大野さんが風呂場から出てきたけど、帰してしまって。
「…いいの…?」
「だって、お前やだっていうから」
そう言って、また笑った。