• テキストサイズ

カラフルⅢ【気象系BL小説】

第5章 ロザリオ


撮影を終えて、事務所の車で翔くんの家まで送ってもらう。
翔くんはあれから、俺と目を合わせてくれない。
思いつめたような顔して、俯いている。
マンションの廊下を歩いているときも、ずっと無言で。
部屋の扉を開けて、中に入った途端、後ろから抱きしめた。

「あっ…潤っ…」
「翔くん…なんでこっち見てくれないの…?」

翔くんはもがいて、俺の腕から逃れようとする。
今日こそ…逃がさない。

「だ、だめ…離して…潤…」
「いやだ。離さない」

ぎゅっと腕に力を入れると、翔くんの動きが止まった。

「潤…」
「ねえ…俺のこと、見てよ…お願い」

翔くんはそっと首をこちらに向けて、俺を見上げた。

「なんだよ…潤…」

潤んだ瞳、上気した頬…
丸い瞳に吸い込まれるように、唇を近づけた。

「あっ…ダメっ…」

逃れようとする翔くんを、玄関の扉に押し付けた。

「潤っ…」
「翔くん、なんで俺のこと家に入れてくれたの?」
「え…?」
「わかってるよね?こうなるの…なのになんで今更嫌がるの?」
「そんな…」

玄関の扉に押し付けた両手にぎりっと力を入れた。

「痛い…潤…」
「ねえ…お願い…俺を見て…?」
「見たじゃねえか…」

/ 1000ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp