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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第4章 ヴェニット


「こんなの…おかしいと思うんだ…だけど…」

ぐいっと袖で顔を拭うと、おーちゃんは前に目を向けた。

「和也を手の中に置いておきたいって…思ってしまって…」

俯いた前髪がおーちゃんの目に掛かって、表情が見えない。
ただ、涙だけがぽたりぽたりと頬を伝って落ちてくるのが見えた。

「あいつが嵐だけで終わるような器じゃないのはわかってるんだ…もっとあいつは役者になるべきだとも思う…だけど…」
「おーちゃん…」
「俺達の…俺の近くに居て欲しい…」

おーちゃんの手が、俺のジャケットの裾を掴んだ。

「そう、ワガママなこと思ってしまって…どうにもならない…」

思わず、おーちゃんの頭を抱き寄せた。

「相葉ちゃん…」
「あ…ごめんっ…」

ぱっと腕を離したけど、おーちゃんはそのまま俺の胸に居て…

「相葉ちゃん…ごめん…」

そう言って、ハラハラ泣くんだ…
もう、俺どうしていいかわからなくなって。

「おーちゃん…俺も…一緒だよ…?」

ほんと、何も考えずに出たのがこの言葉だった。

俺も…ずっと、ニノのこと…好きなんだと思う。
そして、それに確証を持てなかったのは…
そう、おーちゃんのせい。

どっちが本当に好きだか、わからないんだ。

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