第3章 チェリー・ポップ
「智くん…動くよ…」
翔くんの白いからだが撓った。
俺の上で、翔くんが汗をかきながら動いているのを不思議な気持ちで眺めた。
なんで…こうなったんだろ…
なんで…翔くんとセックスしてんだろ…
夢なのかな。
そう思って翔くんの身体を抱き寄せた。
熱い…ちゃんと、居る…
夢じゃないんだ。
汗に濡れた背中に手を滑らせる。
俺のためにかいた汗だと思うと、なんだか凄く愛おしかった。
額に前髪が張り付いている。
それを指でどけると、快感に歪んだ眉。
これも俺がさせてると思ったら、なんだか凄い感じた。
「えっ…智くん…ど、したの急にっ…締まるっ…」
「あ…やあっ…わかんな…急に…ここがキュってして…」
「感じてるの…?」
「わかんないよぉ…」
目尻に涙が滲んでくる。
なんで…?泣きたいわけじゃないのに…
「やべ…マジ嬉しい…」
俺の目尻の涙を翔くんの指が拭っていく。
「もっと…感じて…」
翔くんの腰が、俺の中にもっともっとと埋まる。
初めてなのに。
俺、男なのに。
翔くんが動くと、嬉しいんだ…
なんでだろ…
なんでだろ…
「…なにやってるの…」
かずが、俺達を見てた。