第3章 チェリー・ポップ
智くんが洗い終わると、俺と交代した。
身体を洗っていると、後ろからニノの色っぽい声が聞こえてくる。
「あっ…んっ…」
風呂の中に反響して聞こえてくる声は、今日一日もやもやしていた俺を反応させるのに充分で。
静まらない俺自身に諦めながら、体を洗った。
洗い終わると、ニノの身体を洗うのに浴槽から引っ張りあげた。
手早く身体を洗うと、すぐに風呂から出る。
ふと智くんをみたら、俺と同じ状態になってて。
二人で目を合わせて、照れて笑った。
ニノの身体を拭いて、髪も素早く乾かして。
すぐに寝室へ運んだ。
気がついたら、ニノは眠ってしまっていて。
智くんとふたり、寝顔を見つめていた。
「寝ちゃったね…」
気の抜けたような顔をして智くんが呟く。
「そう…だね…」
どうしよう。
俺たち…まだ…
借りたバスローブからお互いこんにちはしちゃってるモノ…
なかなか収まらない。
ぽすんと智くんがベッドに寝転がって、ニノの髪を撫でている。
つまらなそうな顔をして、いじけてるみたいに見える。
なんだか、とてもかわいい…
「智くん…」
「ん?」
そっと智くんの手をとって、自分を触らせた。