第3章 チェリー・ポップ
身体が痛い。
けどそれ以上に、胸に開いてしまった隙間みたいなものを…
大野さんの熱で埋めたかった。
大野さんなら、それを許してくれそうな気がしたから。
「ちょうだい…?」
「え…?」
「大野さん…が…欲しい…」
言った後で…これってとんでもないことを言ったんじゃないかって気づいたんだけど。
でもそれを取り消そうなんて気は全く起こらなくて。
大野さんになら…もう、どうされてもいいと思った。
その熱を、埋めてくれるなら。
「うん…」
小さく聞こえたその声に、身体がまた熱くなった。
首筋に、大野さんの顔が埋まる。
唇が俺の首筋を辿っていく。
「あ…」
身体の奥底から、突き上げてくる快感。
人肌に触れることの喜び。
耳たぶを噛まれて、びくっと身体が震える。
「かず…かわいいよ…」
そんなこと…言わないで…
溶けちゃうよ…
シャツの中に手が入ってきて、胸の先端を指がなぞる。
「あ…や…」
「やだ…?やめる…?」
「や…めないで…」
「うん…」
耳を甘噛しながら、大野さんの綺麗な指が俺の身体を這いまわってる。
これは…現実…?夢…?
…どっちでもいい…
熱が…愛おしい…