第2章 グレイscene3
「翔ちゃんだけずるい…」
そんなこと言うけど、あなた明日ドラマのロケじゃない。
飲ませる訳にはいかないね。
俺だって明日、収録だけどさ。
ぐびぐびとビールを煽りながら、むしゃむしゃと缶詰を次々と開けていく。
そんな俺を呆然と智くんは見ていた。
「あの…俺、なんかした…?」
マグカップを覗いたらもう飲み干していたので、俺は立ちあがった。
智くんの腕を掴むと立ち上がらせた。
「えっ…あのっ…翔ちゃん!?」
そのままバスルームへ向かった。
脱衣所のドアをスパーンと開けると、中に智くんを入れた。
新品の歯ブラシの封を開けると水で濡らしてから、歯磨き粉を付けた。
それを智くんの前に差し出した。
「え…?歯、磨くの?」
頷くと、恐る恐る歯ブラシを取って歯を磨きだした。
その隣で俺も歯を磨いた。
歯を磨き終わると、俺は服を脱ぎ始めた。
さっき湯船に入れたお湯はもう満杯になってる。
「ちょっ…!?何してんの!?」
そう言って智くんは目を手で覆った。
「なんで裸になってんの!?翔ちゃんっ!?」
その手をぐいっと引き剥がすと、智くんの服を無理やり脱がせた。
「や、やだって!なんだよっ!!」
ぐいぐいと身体を押し付けながら服を脱がすと、智くんの下半身に違和感を感じた。
顔を見ながらそこを無理やり触った。
「あっ…やだっ…」
腰を引いていくのを追って、そこをぎゅうっと握りしめた。
「…なんだよ…コレ…」
「やっ…めて…触らないで…」
蚊の鳴くような声。
智くんはそのまま顔を手で覆ってしまった。
「なんで勃ってるんだよ…」
「知らない…」
俺は、知ってるんだよ?
智くん、あなた俺のこと好きだよね?