第74章 えろかわちゃんとねっけつくん
カラコロン…
今日もいつものドアベルの音が聞こえる。
「お。雅紀」
そして、潤の嬉しそうな声がカウンターから聞こえる。
「潤♡」
ここは、俺の恋人の潤のお店。
俺と翔の大事な大事な恋人のお店。
「裏から入ってこればいいのに」
そして、俺たちの会社の事務所がここにはある。
「ん~?だって俺、ここのドアベルの音好きなんだ」
「ふ…中学生の頃からそう言ってるよな。雅紀」
お店は、まだ午後のティータイム前だったから、ちょっとお客さんは少ない。
店を見渡してから、上の事務所に行くべく、カウンターの奥の厨房に入った。
おじさんとおばさんは昼休憩で、厨房に居た。
「あら、雅紀くん。お昼食べた?」
厨房の調理台の上にお昼を広げて、二人でご飯を食べていた。
「はあい。学食で食べてきました」
「そう。じゃあコーヒーでも飲む?」
「いえいえ。上で一仕事ありますから…」
「そう…潤!私達戻るから、あんたも休憩入りなさいよ」
潤が厨房の入り口に顔を出した。
「え?いいの?」
「いいわよ。忙しくなったら呼ぶから、暫く休憩してなさいよ」
「ありがと…」
交代した潤と一緒に二階に上がった。