第73章 you have…
「わかんないけど…」
「けど…?」
缶をサイドボードの上に置いた。
いつの間にか飲み干してた。
智を見ると、ゆったりとベッドに寝転がって俺を見つめていた。
ああ…そっか
この目だ。
「智なら…いいかなって…思った…」
「なんでだよ…」
くすくす笑いながら俺に缶を手渡してきた。
智の缶も何も入ってなかった。
それをサイドボードの上に置くと、ゆっくりと智を振り返った。
「駆け引きなんか…いらないくらい、智の考えてることがわかったから…」
「え?」
「俺と…寝たいって…思ってくれた…でしょ…?」
そんな目で、俺のこと見てくれた人…
今までいなかった。
それがとても、嬉しかったんだ
「ふふ…翔って…かわいいんだね…」
「か、かわいくなんか…」
「こんなにイケメンなのに…わかってないんだ?」
「え…?」
俺の手首を取ると、ぐいっと引っ張った。
勢いで、智の胸に倒れ込んだ。
「翔はとっても整った綺麗な顔してるのに、自分に自信がないんだね」
「そ、そんな…」
「大丈夫…翔は、とっても素敵な人だよ…」
「え…?」
「だって、すぐに寝たいって…俺が思ったんだよ?」
くすくす笑って俺のバスタオルを剥ぎ取った。
「ね、シよ?」