第72章 今日の猫来井さん

どうやら、猫野さんと猫宮さんはお友達だったようです。

「猫野さん、また寝てんの？」
「はい…来たときからお静かで…」

静かなお客様はとっても助かるけど、あんなところで寝られたらモップを掛けることができません。
たまに迷惑だなと思うのですが、それは秘密です。

「入るね」

勝手知ったるなんとやらで、猫宮さんはズカズカと猫野さんのお宅に侵入しました。

まあ、お友達ならいいでしょう。

「猫野さーん？入るよー？」

猫宮さんに続いてリビングに入っていくと、早速ソファに歩み寄っています。

「珍しい。ソファで寝てる。いつも床なのに…」

クスクス笑いながら、猫野さんのお腹に乗っかります。

「ぐえ…」
「ねー猫野さん、今日晩飯食っていっていい？」
「ふにゃ…好きにしやがれ…」
「やったー！猫来井さんの晩飯旨いんだよね～！ラッキー！」

そのままお二人でじゃれ始めたので、私はモップがけの続きをしましょう。

そうこうしてるうちに、また呼び鈴が鳴りました。

「あらあら。今度はどなたかしら？」

猫野さんと猫宮さんをみると、楽しそうにご挨拶の真っ最中でしたので、代わりに出ることにしました。