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ヘブンズシュガーⅡ【気象系BL小説】

第7章 オレンジscene1.5


「和…起きろ…」
「ん…せんせ…待って…後ちょっと…」

20歳の和はよく寝る。若い証拠だ。
よくこんな36にもなろうというおっさんと付き合ってるなと思う。

和のマンションは防音で、外の音はほとんど聞こえてこない。
だから休日をゆっくり過ごすには格好の場所で…

「起きないと…えっちなことするぞ…」
「んふ…して?」

若いから…性欲も俺よりあって。
たまに負ける。
だが、男たるもの負けたままというのも癪なもので。
だが、寄る年波には勝てないのも事実で…
暫くなにもできないで和の顔を眺めていたら、また眠ってしまった。

天使のような寝顔を眺めながら、かばんからノートを取り出した。
この前から気になっていた数式…
なんとか解けそうな気がしてきた。
数学のように解だけが全てではない。
物理学はそもそも、その過程が大事なのだと教授は言った。
最近、やっとその言葉の意味がわかった気がする。

ベッドに寝転びながらノートを広げる。
俺は物理の世界に没頭した。

気がついたら和が起きていた。
ノートを覗きこんで、俺の筆先を見ている。
まだこいつは学生で、物理学を本格的に始めたばかりだ。
このノートに書いていることは、半分も理解できないはず。

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