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ヘブンズシュガーⅡ【気象系BL小説】

第1章 雪の華 -KAZUNARI-


「いいか。お前は松本さんのところに、働きに行くんだ。辛抱していれば、きっといい暮らしができるからな」

そんなの嘘だって、小学生の俺にはわかっていた。
父親は俺が邪魔なんだ。ヤクザに売って金がほしいだけなんだ。
そんなこと、小学生はわからないとでも思っていたんだろうか。
随分浅はかな男だった。


「いいか…もう、二度と和也に近寄るな!こいつは俺のものだ!」

そう言って潤さんは俺の手を掴んで、引き起こした。

「行くぞ、カズナリ」

手を引かれながら、潤さんの後ろ姿をみていた。
あんなこと言われたの初めてだった。
そして、守ってもらうのも…

なぜだか涙が溢れてきた。
この俺よりも小さな背中に、俺は震えた。

「あ」

潤さんは立ち止まって俺の顔をみた。
涙でぐしゃぐしゃの俺の顔を、自分の服の袖で拭ってくれた。

「俺の名前は潤。今日からお前の親分だからな!よろしくな!」

そう言って可愛らしい口を綻ばせた。

「潤…くん…」
「うん!」

この時。

俺の人生は決まったんだ。

この人に、俺の一生を捧げよう。
この人の望むことだったら、なんだってしよう。

だってこの人は……

この人だけが俺を必要としてくれるから。



「あっ…あっ…潤さんっ…も、俺っ…」
「和也…お前、最高だよっ…イクぞっ…」







【雪の華-kazunari-・END】
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