第59章 うんち記念日
「とーちゃ、うんち…」
「おお…」
4歳になる俺の息子、和也はまだうんちがトイレでできない。
幼稚園でもトイレトレーニングに協力してもらっているが、いかんせん父子家庭なので家でそこまでまだ訓練できていなかった。
ほんと、先生方にはいつもごめんって思ってるとこ…
「じゃあ、おむつ…」
「やーの!」
「は?」
「といえ…いく」
「ええっ…!?」
といえって…トイレのことか!?
「ま、マジで言ってんの!?和…」
「いくの!といえ!」
いつもはキッチンとリビングの境目のカーテンに身体を巻きつけて、おむつのなかに踏ん張っているのに…
ぽんぽんとその場で半ズボンもグンゼのぱんつも脱ぎ捨てて、ぶらぶらさせながら和也はトイレに走っていった。
「お…おい、ちょっと待て!和!」
慌てて後を追いかけていくと、トイレのドアを全開にして和也は真っ赤な顔をしている。
「とーちゃ、ちっちゃいふたして!」
「お、おお!」
慌てて洗面台の下から、和也用の小さい便座を取り出してセットする。
「よ、よし!いいぞ!和!」
「うんっ!とーちゃ、だっこ!」
和也を抱っこして便座に座らせると、すぐにいきみだした。
「がんばれ!和!」
「ううううう~…」