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ヘブンズシュガーⅡ【気象系BL小説】

第53章 【Desire】25 millieさま・chiseiさまリク


くっくと笑いながら網を直していると、後ろからこつっと頭に何か当たった。

「何笑ってるの?智くん」

ペットボトルのお茶を持って、翔くんが立ってた。

「翔くん…掃除終わったの?」
「ん…チビたち帰ってきたからおしまい」
「そっか。ちょっと休めよ?」
「智くんも、休憩したら?働きっぱなしだよ?」
「これが俺の仕事だもん」
「ふふ…すっかり慣れたね」
「うん…皆のおかげだよ」
「…チビたちも?」
「ああ。俺よりあけぼの荘の先輩だからな…」

真面目な顔をして答えると、翔くんは暫く笑った。
ネコとネズミ二匹はまだ追っかけっこをしている。

ああ…やっぱりいいなあ…

太陽の光に海の匂い…そして皆の笑顔…

こんな楽園、他にないんじゃないかな…

「和ー!潤ー!待ちやがれ!」
「いやああん!まーあんちゃんこわあい」
「大人がほんきだー!大人げねー!」
「こ、このやろおおお!」

翔くんが笑いからやっと立ち直って、さっきまで雅紀が飲んでたコーラの缶を手に取った。

そっとあいつらがバタバタしてるとこまで歩くと、いきなり缶をべきべきと握りつぶした。

それ…スチール缶…

ネコとネズミ二匹は固まって翔くんの顔を見てた。

「さ、宿題の時間だよ?」

ちーちゃくなった缶を握りしめたまま、翔くんはにっこりわらった。

こ、こわい…

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