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ヘブンズシュガーⅡ【気象系BL小説】

第51章 【Desire】23 みきちんさまリクエスト


校庭の隅で、スケッチブックを広げている。
空は晴れ渡って、青い。

グラウンドでは野球部が部活をしている。
僕は校庭の植物をスケッチしているふりをして、その練習を眺めてる。

グラウンドには、僕のクラスメイトの潤とニノがいる。

泥に塗れて、ユニフォームを真っ黒にして練習に励んでる。

スポーツが苦手ってわけじゃないんだけど、どうしても競争とかってなると笑っちゃう自分が居て。
だから運動部なんて、僕には無理だった。

絵や造形が好きだから、美術部に所属している。
なんと今は部長なんてやらされてる。

「おーい!ボール取ってくれー!」

走ってきたのは潤だった。

「ああ、いくよ?」

足元に転がってきた硬球を手に取ると、まっすぐ潤に向かって放り投げた。

「さんきゅ、智」
「ううん」
「何描いてるの?」
「ん…今ね、文化祭に向けて学校の風景を描くことになってて…そのためのスケッチに回ってるんだ」
「へえ…そうなんだ…ここ、ボールが飛んでくるからアブナイぞ?」
「ん。気をつける」
「あ…あいつまた…」

潤はマウンドに向かって目を向けた瞬間、怒り出した。

「もう投げるなって言ったのに…」

マウンドにはニノが居た。
ピッチングの姿勢に入ってる。

「あの野郎っ…」

潤は僕には目もくれないで走り出した。

「…がんばってね…」

一目散にマウンドに向かって掛けていく背中を見送った。



僕の好きな人は…僕の友達が好き…

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