第4章 185階の家
それから、毎日相葉さんは俺の家にくるようになった。
どんなに仕事で遅くなっても、オフの日でも相葉さんは俺の家に居る。
「ねえ…うち、帰らなくていいの?」
「ん?帰ってるよ。時々」
俺のうちにはどんどん相葉さんのものが増えていく。
家に帰ると、相葉さんがまだ帰ってなくても相葉さんの匂いがする。
それが、なんだか心地いい。
「ねえ、ニノ…まだ付き合ってくれないの?」
「んー…ふふふ…だめ」
リビングのソファの上。
俺たちはいつもそこでキスをする。
相葉さんに抱きしめられながら、俺は幸せを感じる。
「もう…いいじゃん。俺にしとけよ…」
くすくす笑いながら俺を膝にのせると、頬にちゅっと軽くキスをくれる。
「まだ足りないなあ…」
「もうお前、欲張りさんだなぁ…」
抱きしめられると、首筋に顔を埋められて唇で筋をなぞられる。
「ん…」
「いい声…もっと聞かせて…」
「スケベ…」
「俺、ニノにだったらいくらでもスケベになるもん…」
「バカ…」
相葉さんの頭の後ろに手を這わせて、抱きしめると相葉さんの匂いが濃く感じられた。
それがひどく安心するから、やめられない。
手離せない。
「もっと好きにさせてよ…」
「え?ということは、もう俺のこと好きなの?」
「んふふ…秘密」
185階の俺の部屋は…
俺と相葉さんの秘密のお部屋。
【END】