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ヘブンズシュガーⅡ【気象系BL小説】

第32章 【Desire】4 さちえさまリクエスト


その時、植栽の影から櫻井と松本が飛び出してきた。

「さ、雅紀行こう?諦めついたろ?」
「翔ちゃん…」
「すいませんでした、大野先輩。二宮、頼んます」

相葉を抱えて二人は去っていった。

「な…なんだ…?」

二宮は俺の学ランの胸に顔を埋めたまま動かなかった。

「に…二宮…?」

芝生の上に座り込んだまま、動けなかった。

「おれもお…せんぱいが…だいすき…」
「二宮…」
「う…うれしかったっ…」

ぎゅうううっと二宮は俺に抱きついてきた。

「すきだよおお…」

頭のなか、二宮への愛おしさでいっぱいになった。

「立て」
「へ?」

無理やり二宮を立ち上がらせると、俺は走り出した。

「大野先輩!?」

急いで校舎の三階まで駆け上がると、美術室に飛び込んだ。

誰もいない美術室で、俺は二宮をぎゅうっと抱きしめた。

「ありがとうな…二宮…」
「せぇんぱい…」
「俺のこと、好きになってくれて…」
「ううう…」

そっと泣きじゃくる二宮の頬を手で包んだ。

「俺も…おまえのこと、好きだよ」
「大野先輩ぃっ…」

まだ何か喋ろうとする唇に、キスをした。

「…俺と、これからも付き合ってくれる…?」
「も…もう…あたりまえでしょ!?」

ぶちゅーっと、今度は二宮からキスされた。
嬉しくて…嬉しくて…
何度も何度も俺たちはキスをした。




それから卒業式があって…

退場する時に見えた二宮は、また泣きじゃくってて。

その泣き顔も、すっごいかわいらしくて…
俺の恋人は、世界一かわいいと思った。

全部終わって、校舎を出ると。

在校生が俺たちを待ち受けていた。
人混みの中、二宮を探す。

部活の後輩に見つかってもみくちゃにされてたら、二宮が見えた。

「に、二宮!」
「え?」
「これ、やる!」

スケッチブックを手渡した。

そこには、二宮がたくさん描いてある。

「絵、頑張れよ」
「はいっ…」



それから二年が過ぎて…


和也はなんと、俺をおっかけて同じ美大に入学した。


それからの俺たちのお話は…


また、今度ね?




END

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