第4章 185階の家
「ニノ?今日、お前んち遊びに行ってもいい?」
「おん、いいよ」
「よーし、じゃあ飯作ってやるよ」
「マジで?」
収録終わり、相葉さんが俺の横に並んで歩きながら腕まくりをする。
楽屋への廊下を歩きながら、なにしてんだか。
「俺、明日オフだから泊まってもいい?」
「あー、いいよー」
「じゃあ一回、家帰るわ」
「わかった」
家に帰ると、一応お客様を迎えるんだから軽く家の中を掃除する。
風呂もしばらく洗ってなかったから、とりあえず入念に洗っておいた。
あの人、風呂が汚いの嫌がるからね。
洗面所も軽く掃除して、バスローブとバスタオルをセットしておく。
なんだかできる奥さんみたいじゃん、俺。
全て終わってリビングに行ってスマホを見る。
相葉さんからの連絡はまだ入ってない。
「あれぇ…おっせえな…」
なにしてんだろ。
LINEで”どこにいるの?”って聞いてみたら、”今、お前んちの下にいる”って答えが帰ってきた。
そっか。じゃあもう来るな。
そう思って待ってるけど、全然来やがらない。
なにしてんだろと思って電話をしてみた。
『もしもし?』
「あなたなにやってんのよ」
『エレベーターが故障だってよ』
「え?俺が来た時動いてたよ?」
『今、壊れたみたい』