第23章 BOY【S side】 EP.2
「…今日から翔は、俺達のモノね…?いいでしょ?」
「潤…」
「ねえ、いいって言って…?翔…」
凄く切ない顔で俺の右手を取ると、ぎゅうっと握った。
「離したくないよ…翔…」
まるで愛の告白みたいだ
そう思ったら、身体の奥底から濁流みたいに感情が溢れ出してきた。
「…泣くなよ…」
俺の足の間に居た智が、身を乗り出して俺の涙を指ですくっていった。
誰かに…こんなに激しく求められたことなどなかった
妹や弟に必要とされているのとは違う。
俺という人間が…必要だと言ってくれているのだ
「して…俺を…あなた達のものにして…?」
涙で上手く喋ることができないけど、精一杯の声を振り絞った。
「一緒に…夢を、見させて…?」
ぎゅうっと後ろから雅紀に抱きしめられた。
「嬉しい…翔ちゃん…」
「ほん…と…?嬉しい…?」
「本当だよ。とっても…嬉しい…」
雅紀の肌の温度…気持ちいい…
二宮さんが、俺の胸に顔を埋めた。
「じゃあここにも印、つけてあげる…」
またぴりっとした痛みが来たかと思ったら、小さな花びらが胸に付いたような痕…
「嬉しい…嬉しいよ…」
涙がどんどん溢れてくる。
こんなに泣いたのは…いつ以来だったろう…