第23章 BOY【S side】 EP.2
「翔…?君には夢がないって言ったね…」
「う…ん…」
「夢、みようよ…一緒に」
社長は俺の唇を舐めた。
「連れて行ってあげる…」
目が…部屋が暗くてよく見えないはずなのに、目が俺を…
捕らえた気がした
「あ…しゃちょ、お願い…欲しい…」
身体の奥から、誰か叫んでるみたいだった。
欲しくて欲しくて、疼いて…
こんなこと初めてだった。
「智…俺の名前は智だよ…呼んで…?」
「さと、し…」
「いいね…その声、最高」
唇を重ねられると、嬉しいと叫び出しそうだった。
不思議な香りがした。
安心する、匂い…
ふんわりと包まれたかと思うと、突然身体が浮いた。
智が俺のこと抱え上げて座らせた。
その後ろに、今度は相葉さんが来ると、そっと俺を抱きしめた。
「翔ちゃん…凄い…こんなにかわいくなるなんて…」
そう言って俺のシャツのボタンを外し始めた。
「皆で、夢みよう…?」
「うん…あいばさ…」
「俺は、雅紀…雅紀って呼んで…?」
「雅紀…」
耳たぶを舐りながら、甘く囁く声は脳みそに直接響いた。
溶けそう…
そんな俺を見ながら、智はベルトに手をかけた。
生まれたままの姿になる頃には、闇に慣れた目が皆の姿を映し出した。