• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅡ【気象系BL小説】

第20章 Eternal YOU~白光




涙が、止まらない。


朝日がカーテンの隙間から入ってきても、止まることがなかった。
とめどなくあふれ続ける涙は、枕を濡らし、シーツを濡らした。

開いていた本を閉じると、頬を拭った。

「和也…和也…」

笑うと犬みたいになる顔
真っ白な皮膚
人懐こい瞳
艶のある声

たまに見せる、妖艶な表情

そのどれもが、俺を魅了していた


愛していた


だけど…俺のものには永遠になることがないことも知っていた


和也は…別の人を心に飼ってる

そう思った俺は、段々と和也を遠ざけるようになってしまった。
自分のものにならないのならば、俺はあいつをいつか傷つけてしまうだろう。

だから…

傍にはいられないと思った。
居てはいけないと思った。

あいつの友人である資格も…

とうに失くしていたんだ



こんなことになるのならば、思いを伝えておけばよかった
こんなことになるのならば、いっそ…



このひと月、魘されては起きてよく眠れなかった。
そして、思い出したのだ。

櫻井が持っている本のことを…

あれを読めば…俺は、和也に再会することができるんじゃないか。
だから無理を言って、この二宮の家に押しかけてきたんだ。

/ 1000ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp