第18章 【ピックアップありがとう記念】JUN TA-LOW
犬、猿、キジ…
実は誰も…仲間じゃなかった―――
「それでは、おじいさんおばあさん、行ってまいります」
「潤太郎…もう参るのか…」
「はい…おじいさん。早く鬼どもを退治せねばなりませぬ…」
「無事に帰ってきておくれ…潤太郎…」
「おばあさん、必ず…」
おばあさんは、潤太郎に袋に入ったきびだんごを渡した。
「困ったときにお食べなさい…」
「はい、おばあさんありがとうございます!」
桃からウルッと生まれた潤太郎(響きだけで名付けた)。
今まで育てて貰った恩を返すため、潤太郎の育った村に悪さをする鬼を退治する旅に出た。
鬼が棲むという鬼ヶ島へ―――
村を出て峠に差し掛かると、どこからか犬の鳴く声がする。
「きゅうん…きゅうん…」
「おお~い…どうした…犬殿…」
「あっ…あなた様はどなたです?」
「私は潤太郎というものだ」
「私はニノミヤと言います。お腹が減って死にそうです」
犬のニノミヤは、白い毛皮のお腹をナデナデしている。
本当に腹が減っているのだろう。
「左様か…ならば、これを食べるがいい」
「えっ…良いのですか?」
潤太郎はおばあさんからもらったきびだんごを差し出した。
「食べるがよい」
「ありがとうございます!」
犬のニノミヤは潤太郎のお腰につけたきびだんごをお口にぱくりと入れた。