第16章 ふたりでひとつ
和の顔をみながら、色々妄想する。
アノ時の顔とか…
色っぽい声とか…
和の声ってなんであんなに色っぽいんだろ。
喘いだ時なんて、信じられないくらいゾクゾクする。
甘い吐息が俺の鼓膜に蘇って…
「ん…ぁ…」
思わず声が漏れそうになる。
ここんとこご無沙汰だったから、あっという間に先走りも出てきて…
ぬるぬるした手が、すぐに限界を運んでくる。
「ん…?」
あとちょっとってとこで和が目を覚ました。
「なぁにしてんの…?」
「わっ…ぁ」
慌ててバスローブの前をかけ合わせるけど、全然間に合ってなかった。
「潤くん…」
じとっと俺のこと横目で見る。
「ごめん…」
「もう!人のことオナネタにしてたの…?」
「ご、ごめんなさいもうしませんゆるして」
「ぶっ…」
奥さんはコロコロと笑うと、上目遣いで俺を見た。
「いいよ…?じゃあ、俺も潤くんをオナネタにしていい?」
「えっ…ええっ…!?」
和はソファの座面に俺に向かって座った。
「ほら、潤くんも」
「えっ?」
「みせっこ…しよ?」
恥ずかしそうに頬を染めながら、小悪魔は囁いた。
「こんなのしたことないでしょ…?」
もちろん。
こんなエロいこと、したことない。