第12章 しあわせはここにある-parallels-Ⅱ
ビクリ、身体が震える。
酷い寝汗…
隣で寝ていた和也が身体を起こす。
「どうしたの…?智…」
「ん…なんでもない…」
”俺も一緒に…地獄に堕ちるから…”
翔くんの声が頭に響く。
「すごい汗だよ…?」
和也は起き上がってベッドを出て行く。
戻ってくると手にタオルを持っていた。
「どうしたの…?怖い夢、見た?」
「ううん…違う…」
顔の汗をタオルが吸っていく。
首筋の汗を拭ってしまうと、和也は俺の頬を掌で包んだ。
「シャワー、する?」
「うん…」
寮の風呂は、広くて。
二人入ってもまだ広い。
和也に手を引かれてその扉の前に立つと、いきなり頭に映像がよみがえる。
ずぶ濡れになりながら、縋るような目で俺を見る…
あの目…
”好きだ…智”
「あ…」
足が縺れて、壁に手をつく。
「どうしたの…?智、大丈夫…?」
和也の手が俺の腕を引いた。
温かい腕に包まれると、身体の熱が湧き上がった。
「和也…ね…欲しい…」
「え…?」
返事も聞かずにパジャマを脱ぎ捨てると、洗面台に手をついた。
自分の尻を掴むと左右に割り開いた。
「だめ…?」
ごくりと和也の喉が鳴った。
「だめなわけ…ないじゃん…」