第9章 櫻井翔のキケンな夜会4
「雅紀…大丈夫だよ…」
「き、嫌いにっ…ならないでっ…ごめんなさいっ…」
腰が痛い…
雅紀も初めての時は、こんなに痛かったのかな…
「大丈夫…落ち着いて…?」
「翔ちゃん…翔ちゃん…」
ぎゅっと、雅紀を下から抱きしめた。
「俺の気持ちは、変わらないから…」
「翔ちゃん…」
「ずっとおまえと一緒に居たいから…」
肩を押して、雅紀の顔を見た。
「別れるなんて言うなよ…」
「ごめんなさぁい…」
ぽろぽろ涙が俺の手を伝う。
雅紀はもう目がぽんぽんに腫れてて、早く冷やしてやりたかった。
「雅紀、愛してるよ」
ちゃんと目を見て、伝えられた。
増々雅紀に泣かれてしまったけど…
よかった…
雅紀、まだ俺の傍に居てくれるって…
それから痛む腰を引きずりながら風呂に入って。
雅紀が色々世話を焼いてくれたから、おおごとにはならずに済んだ。
目を冷やしながら、雅紀が隣で横になっている。
寝室の天井を見ながら、きゅっと雅紀の手を握った。
「ね、もう一回、言って…?」
ごほんと咳払いをして、雅紀の方を向いた。
「雅紀…世界で一番、愛してるよ」
「もう…好きをすっとばして愛してるかよ…」
「ふふっ…そういや、そうだな。好きから始める?」
「ううん…愛してるのほうが、嬉しい…」
「じゃあ、雅紀も言って…?」
「翔ちゃん…宇宙で一番…愛してるっ」
その後、盛大に照れた雅紀は俺の肩口に顔を埋めてそのまま眠ってしまった。
天使みたいな寝顔を眺めながら、俺は呟いた。
「愛してるから…もう、おしおきだけは勘弁ね…?」
【END】