第4章 怪しい行商人
部屋に入り眠りにつく
サルコ………
今、君は何をしてるかぃ?
痛い事はされてない?
僕は………大丈夫だよ。
でも、ヤッパリ、寂しいから。
早く逢いたいな。
夜も深くなりYADOの人も寝てしまった頃
ヨクバがコソコソ起きだしたんだ
足音を潜めて外へ出ていく
僕もコッソリ後をつける
ヨクバは村の広場のあの井戸へ。
そして………
男の子が隠した【カネ】の入った袋を取り出して
そのまま持ち去ろうとしたんだ!
え!?待って!そんな事したら!
あの男の人が悪者にされちゃうんじゃない?!
そんな事になったら………
この村の仲良しの村人達の
信用とか友情とか、そういう大事なものが
壊れちゃうじゃないか!
そうなる前に、誰かに伝えなくちゃ………
うわぁぁぁあ!!!
そう思った瞬間、僕の身体がビリビリして
真っ黒に焦げた
見つかったんだ、ヨクバに。
渋々ヨクバに続きYADOに戻る事になった
朝、起きてすぐ僕は広場に連れて行かれた
そこで始まったのは
ヨクバの胡散臭い演説
【しあわせのハコ】だって??
僕がコレのお陰で幸せだって??
そんな訳ない!!
ねぇ、みんな。どうか信じないで!!
村人の半数は演説の途中で帰っていった
でも、残念な事に、この胡散臭い
【しあわせのハコ】を欲しがる人も居たんだ
それも4人も。
僕はその人達にそれを運ぶ役。
面倒くさいとは思ったものの
これでやっとヨクバの目が届かないぞ!
僕は走り回る!
ハコを運ぶフリをして1つ渡しては
村を駆けまわるんだ!
誰が!気付いて!!あいつは幸せなんか
与えてくれない!【しあわせのハコ】なんて
インチキなんだ!
ねぇ………誰か………
僕の心が通じる人はいませんか!?
………………………。
しょせん。僕はサルだった。
僕の心の声は人間には届かなかった
仕方なく【しあわせのハコ】を4つ運んだ
YADOに戻るとヨクバの電話が鳴った
休む間もなくオソヘの城へ行く事になったんだ
あ!そうだ!城にはあの男の人が居るかも!
もしかしたら…あの人なら…
わかってくれるかも!
最後の希望をもってオソヘの城へ急いだ