第13章 聖なる夜に
「ナナミちゃん、コンビニのおにぎりだけど、一緒に食べましょう。」
お母さんの声が
とても温かかった。
幸い、脳に異常はなかったみたいで、
今は眠っているだけ、と。
ただ、右手首を捻挫…
壁にぶつかって倒れた時に捻ったみたい。
「右手首…。」
年が明けたら、畠山さんに
ネーム持っていかないといけないのに…
「ユウスケ…ごめん…ごめんね。」
包帯で巻かれたユウスケの右手が
痛々しい。
窓際に座り、ユウスケの左手を握りしめた。
ユウスケの寝顔。
あの頃は、想像もしなかったな…
懐かしい中学のあの頃…
「ナナミ~。準備は出来たの?」
「ママ、私はさっきから、とっくに終わっているんだけど…」
「え!?じゃ、急がなきゃ!もう少し待ってね!」
ママは慌てて、部屋に戻った。
全く。
私には、ずいぶん前から、早く準備しなさいよ~、なんて言ったくせに。
パパはニヤニヤしながら、
コーヒーを飲んいる。
もちろん、支度はとっくに終わっている。
「ごめん、お待たせ!あ!しまった、ケイタイがない!あれ?」
ソファーの周りをパタパタと探し回る。
「おい、ここにあるぞ。さっき俺に預けたじゃないか。」
呆れ顔のパパが、携帯を見せた。
「早く行かないと、入学式始まっちゃうっ。」