第13章 聖なる夜に
あと30分で新宿に着く。
電車の窓の外は、東京とは言え、
意外とノドカなんだな。
昨日雪が降ったらしく
うっすら積もっている。
『あと30分で新宿に着くよ。』
ナナミにLINEを送った。
ピロン…
『ん、わかった。私も新宿に向かっているからね。』
『着いたら、また連絡する。』
私は電車の中で、俯きながら、
ドキドキしている気持ちを押さえていた。
だって、久しぶりだもの。
ちゃんと彼女らしく出来るかな。
クリスマスだもの。
周りのカップルみたいに
仲良く見えるかな。
電車の中は、カップルばかりだった。
今日のクリスマスを幸せいっぱいに
過ごす為に、見つめあったり、
肩を寄せあったり。
「早く会いたいなぁ…」
もうすぐ。
もうすぐ会える。
『まもなく新宿~』
山手線のアナウンスが、
車内に響いた。
あ、降りなきゃ。
ホームを降りると、雪の影響で、
あちこちビシャビシャだった。
「わ、滑りそう、危ない…」
田舎の雪には慣れているけど、
都会と体制が違う。
うっかりして、滑って転んだ事が
何度かあった。
ピロン…
『着いたよ。中央線のホームにいるから、降りるよ。』
あ、ユウスケだ。
あぁ、もう、嬉しい。
気持ちが踊るのがわかる。
足元に気を付けながら、
中央線を上がった。
階段を上がった途中で
ブッブッ…
あれ、ユウスケだ。
「はい?ユウスケ?」
『上じゃないよ、もう下に降りたよ。』
え?
振り向いて、下を見ると、
久しぶりに会えたユウスケがいた。
「ユウスケ。」
ドンッ!
あ…
目の前が、大きく揺れて、
その後、一瞬真っ暗になった。