第12章 初雪
「え?そうだよぉ。ずっと好きだった、って、言ったじゃない。」
電話越しで、少し怒ってる。
「ごめん。」
「…まぁ、ね、中学の時から、長期戦で行く覚悟してたしね。」
「ナナミは物好きだよな。」
本当、そう思うよ。
「そんな事ないよ?ユウスケの事、いいよね、って言ってた子、結構いたんだよ?」
ふぅん…さらに物好きだな。
「だけど、気難しそうだから、告白しても、難しいよね、って。あと、いつもカナがいたし。」
ふぅ~ん…
僕の知らない事だらけだ。
周りをもっと見渡せば、
たくさんの事を見れたんだよな。
でも、今は、ナナミが教えてくれる。
ナナミの話には、色んなカラーがあって、
電話越しでも、ナナミの顔がわかる。
「…今度は、いつ帰って来るんだ?」
何よりも、母さんが喜ぶから。
いや、僕がナナミに会いたい。
「…早く帰っておいで。」
僕は、小さく呟いた。
電話越しで、ナナミは
うちの母さんが好きなお菓子を
見つけた、と嬉しそうに話していた。
不思議だよな。
いつの間にか、
こんなに人を受け入れられるように
なったんだな。
外の木々の葉が、
風で落ちたからか、
重なる音がしなくなった。
静かな冬の夜が
やって来た。