第11章 晩秋
もうすぐ冬だ。
すっかり寒くて、朝は暖房が必要だ。
「ユウスケ、今日学校に行くからね。」
朝食を食べる僕に、
母さんが言った。
「あ、三者面談か。」
「本当は、お父さんの方が良いんだけどね。出張だしね…。」
僕の決断は、担任は反対するだろう。
だから、父さんと一緒なら
担任も納得するはずだ、と。
だけど、ギリギリに出張が入った。
「でも、先生に手紙書いてくれたから、大丈夫だよ。僕も、ちゃんと説得する。」
母さんは、少し不安げだが、
父さんの手紙を
大切にバッグにしまった。
ケイタは、東京の大学のスポーツ推薦が決まっている。
カナは…夏の同窓会から話していないが、
守山先生の地元の大学を受けるのは、
本当らしい。
山本達も、大学や専門学校、就職、
バラバラだが、進路は決まった。
「私?そっち戻るよ!」
ナナミは、何の迷いもなく
こっちに帰って来る、と言った。
母さんはもちろんご機嫌だ。
ナナミの存在も
父さんと母さんを安心させている。
「あんなに人付き合い苦手だったユウスケに、彼女が出来るなんてねぇ…。」
父さんも、何気に
ナナミがかわいいみたいだ。
「ごちそうさま。行ってきます。」
もう11月になる。
もうすぐ、この街も
雪一面に覆われる。