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僕の視線の先に

第6章 夏の思い出




「ユウスケ君!」



ナナミちゃんが、息を切らして
走ってきた。




「ごめんね、呼び出しちゃって。」




商店街の間に、大きな公園がある。
家の前じゃ困るし、
ここなら、ナナミちゃんも近い。
時間帯的にも、クラスの奴らには
会わないだろう…






「今日はどうしたの?」



僕は、自分から切り出した。




「あ…うん。」



ずいぶん積極的だと思ったら、
下を向いてしまった。




「…ユウスケ君。」



目を潤ませ、僕を見上げる。
…かわいい…
…でも



「…返事を聞かせて…」



ナナミちゃんが、
僕の胸に顔を付けてきた。




「え。」




僕は、固まってしまった。







「あ…あの」








すると、後ろの方から
人の声がした。






「あれぇ、ナナミ?あ、ユウスケ君も。」

「え、デート?ナナミ、良かったね」



運が悪い…
クラスの女子が通るなんて…



「なになに、どうしたの~?」



後から走ってきたのは
カナだった。



「あ。」




マズイ。


慌てて、ナナミちゃんから離れた。




カナを見ると、
カナの表情が固かった。




「ほら、みんな。人の恋路を邪魔しないの。」



「あ、カナ!待って!」

「じゃあね、ナナミ、ユウスケ君!」




慌ただしく帰って行った。






「ナナミちゃん。…僕は」








少し夜風が肌寒かった。






その後、
カナと話をする事なく、
そのまま卒業した。








チリンチリン…




自転車のベルの音に
ハッとした。




「あれから3年か…」




あの頃も今も、
僕は、ちっとも変わっていない。









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